ニック・キリオス(NICK KYRGIOS)

ニック・キリオス(NICK KYRGIOS)は、現在20歳。ATP世界ランキング33位(2016年2月24日現在)のオーストラリア期待の新星であり、未来の世界ランキング1位と言われている大器です。

193cmの長身から繰り出される超高速なビッグサーブと、どこからでも強打する超攻撃的なプレイが身上のアクティブ・プレイヤー。ジャッジが納得いかないと自分が不利になる可能性があってもチャレンジをしたり、意表を突くプレイなど、観客を楽しませることもできるエンターテイナー的要素がある一方、気性が激しく、オンコート、オフコート関係なく問題行動を起こすことでも有名です。

元世界ランク1位のマッツ・ビランデルから「将来は世界ランク1位かモンフィスかのどちらかだ」と評されるなど、話題には事欠きません。

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プロフィール

国籍オーストラリア
生年月日1995.4.27
プロ転向年2013年
身長193cm
体重85kg
出身地キャンベラ
(オーストラリア)
居住地キャンベラ
(オーストラリア)
利き手右手
バックハンド両手打ち

1995年4月27日、オーストラリアのキャンベラでギリシャ系の父とマレーシア系の母の元に生まれたキリオスは、7歳からテニスを始めました。

来歴

2008年

ジュニアとしてキャリアをスタート。

2009年

10月、シンガポールで開催されたSingapore ITF Junior Championships(G5:アウトドア・ハード)のダブルス優勝。

2010年

全豪オープン・ジュニアに初出場、シングルス予選一回戦、ダブルス本戦一回戦で敗退。

6月にフィジーのラウトカで開催されたAir Pacific South Pacific Open Junior Championships(Grade 4:ハードコート)に出場し、ジュニア・シングルス初優勝を果たします。

毎年10月に大阪で開催される大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス選手権(GA:アウトドア・ハード)に初出場、一回戦で内山靖崇に4-6,3-6のストレート負けを喫しました。

15歳ながらITFフューチャーズにも三大会に出場、いずれも予選で敗退しました。

2011年

全豪オープン・ジュニア三回戦進出。ウインブルドン・ジュニアに初出場し、予選二回戦を勝ち上がり本戦に出場、単複ともに一回戦敗退。

9月下旬のジュニア・デビス・カップではオーストラリア代表としてシングルス4戦4勝、ダブルス2勝1敗の好成績を収めました。

10月中旬には大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス選手権(GA:アウトドア・ハード)に二年連続で出場し、準決勝でフランスのルーカス・ポウイル(Lucas Pouille)に7-6(5),(1)6-7,4-6の逆転で敗退。つづく名古屋のDUNLOP ジャパンオープン・ジュニアテニス選手権大会2011(Grade 2:カーペット)では失セット0で優勝。その次の週も済州島(韓国)で行われた2011 Seogwipo Asian/Oceania Closed International Junior Tennis Championships(GB1:アウトドア・ハード)に出場、シングルスは準々決勝で敗退しましたが、ダブルスで優勝を飾りました。

12月にはオーストラリアン・オープン ワイルドカード・プレーオフに参戦。準々決勝で、当時世界ランク201位のマリンコ・マトセビッチに6-3,3-6,6-4のフルセットで敗退。

2012年

1月にビクトリア州トララルゴン(オーストラリア)で開催されたLoy Yang Traralgon International(G1:アウトドア・ハード)ではダブルスで優勝、つづく全豪オープン・ジュニアではシングルス二回戦、ダブルス準決勝で敗退。

全仏オープン・ジュニアは、シングルスでは二回戦で負けてしまいましたが、ダブルスで優勝します。つづくウィンブルドン・ジュニアでもシングルスは準々決勝で敗退しましたが、こちらもダブルスで優勝を飾りました。

8月にケベック州ルパンティニー(カナダ)で開催されたカナディアン・オープン・ジュニア選手権(Grade 1:ハードコート)で優勝。つづく全豪オープン・ジュニアでは、シングルスは準々決勝、ダブルスは決勝で敗退しました。

その後、10月に大阪で行われた大阪市長杯 世界スーパージュニアテニスに三年連続で出場、準決勝でボルナ・チョリッチ(クロアチア)を7-6(5),6-2のストレート、決勝では内田海智(うちだかいち)を7-6(5),7-6(4)のストレートで退けてGrade Aレベルのシングルス初優勝を成し遂げます。

17歳のキリオスは、2012年から本格的にシニア・ツアー参戦をはじめます。

2013年

1月のAGL Loy Yang Traralgon International(Grade 1:ハードコート)で優勝。つづく全豪オープン・ジュニアでは、決勝で1つ年下のライバル、タナシ・コキナキス(オーストラリア)を7-6(4),6-3のストレートで下してジュニア・グランドスラムを初制覇します。

当時世界ランク559位になっていたキルギオスは、その勢いのままに2月で開催されたシドニー・チャレンジャーでチャレンジャーツアー初優勝を果たします。その後、世界ランク262位にジャンプアップしたキリオスは、全仏オープンにワイルドカード(主催者推薦枠)で出場し、一回戦で当時世界ランク52位のラデク・ステパネク(チェコ)を7-6(4),7-6(8),7-6(11)で破る大金星を挙げました。

全仏オープン・ジュニアはシングルス二回戦敗退、ダブルス一回戦敗退と精彩を欠きましたが、6月下旬にロンドンローハンプトン区(イギリス)で開催されたAEGON Junior International Roehampton(Grade 1:芝コート)では、決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-3,6-1で破り、失セット0で優勝。

つづく全英オープン・ジュニアではシングルスは三回戦で韓国のチョン・ヒョン(Chung Hyeon)に2-6,2-6でストレート負けを喫しましたが、コキナキスと組んだダブルスで優勝を果たし、二年連続ダブルス優勝という見事な成績を収めました。

ウィンブルドンジュニア終了後はツアーに専念し、USオープン予選を勝ち抜き本戦に出場、当時世界ランク4位のダビド・フェレール(スペイン)に5-7,3-6,2-6のストレート負けを喫しました。

2014年

当時世界ランク183位のキリオスは、全豪オープンにワイルドカード(主催者推薦枠)で出場し、一回戦で当時世界ランク81位のベンジャミン・ベッカー(ドイツ)に6-3,6-7(5),6-2,7-6(2)で勝利し、二回戦で当時世界ランク28位のブノア・ペール(フランス)と7-6(5),7-6(5),4-6,2-6,2-6のフルセットの末、破れました。

4月にはフロリダ州サラソータ(USA)で開催されたサラソータ・チャレンジャー(アウトドア・クレー)、ジョージア州サバンナ(USA)で開催されたサバンナ・チャレンジャー(アウトドア・クレー)と2週連続チャレンジャーツアー優勝を飾ります。

全仏オープンには二年連続ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場しましたが、当時世界ランク9位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に3-6,(1)6-7,3-6のストレートで破れ、一回戦敗退となりました。

当時世界ランク144位のキリオスは、全英オープン(ウィンブルドン)にもワイルドカード(主催者推薦枠)で出場し、2回戦で当時世界ランク14位のリシャール・ガスケ(フランス)を3-6,(4)6-7,6-4,7-5,10-8の大逆転で金星を挙げると、4回戦では当時世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)を7-6(5),5-7,7-6(5),6-3で破る大金星を挙げ、10代でグランドスラムベスト8に進出した数少ない選手のうちの1人となりました。準々決勝では、全仏オープンでも対戦した当時世界ランク9位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)と再戦し、7-6(4),2-6,4-6,(4)6-7で敗退しました。

全米オープン開催時には、世界ランクが60位までジャンプアップしていたため本戦ストレートイン、三回戦で当時世界ランク18位のトミー・ロブレド(スペイン)の熟練した戦術的プレーにいらだちを見せる場面もあり、6-3,3-6,(4)6-7,3-6のストレートで敗退。

2014年は世界ランクを182位から52位まで大きくジャンプアップしました。

2015年

年初からランキングを1つ落として53位で迎えた全豪オープンは4回戦まで順調に勝ち進み、10代で2回目のグランドスラムベスト8進出を達成する。準々決勝では、当時世界ランク6位のアンディ・マレー(イギリス)に3-6,(5)6-7,3-6で敗退。ビッグ4の一角に現時点での実力の違いを見せつけられる結果となりました。

4月にエストリル(ポルトガル)で開催されたエストリル・オープン(アウトドア・クレー)ではATPツアー初の決勝に進出。当時世界ランク28位のリシャール・ガスケ(フランス)と対戦しましたが、3-6,2-6と完敗します。クレーコートでの実力差を見せつけられました。

5月のムチュア・マドリード・オープン(ATP1000:アウトドア・クレー)では、二回戦で当時世界ランク2位、史上最高のテニスプレーヤーと呼び声高いロジャー・フェデラー(スイス)と対戦。全セットタイブレークに突入する大接戦となりましたが、(2)6-7,7-6(5),7-6(12)の逆転で大金星を挙げました。

たしかにフェデラーはクレーがあまり得意ではありませんが、それでも普通のTOP100レベルの選手にはなかなか負けません。それと、普通の選手だったらフェデラーに勝てそうな状況になると、変な意識をしてしまいますから、キリオスのメンタルは相当のものです。それにしても、ナダルに続くBIG4撃破は素晴らしいのひと言です。

世界ランク30位で迎えた全仏オープンでは、3回戦で苦手なクレーを完全克服した当時世界ランク3位のアンディ・マレー(イギリス)と対戦。4-6,2-6,3-6と完敗します。

世界ランク29位で迎えたウィンブルドンでは、3回戦で当時世界ランク8位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を5-7,7-5.7-6(3),6-3で破ったものの、4回戦で当時世界ランク20位のリシャール・ガスケ(フランス)と当たり、5-7,1-6,7-6(7),(6)6-7と去年と同じ舞台でのリベンジを許す結果となりました。

USオープンでは、当時世界ランク3位のアンディ・マレー(イギリス)にあたるという不運なドローもあり、5-7,3-6,6-4,1-6のスコアで一回戦負けとなりました。

2015年は世界ランク30位で終了しましたが、テニスのことよりも別のことで話題になることが多いシーズンでした。

シーズン終了後、IPTLに参加。2015年はマスコミ等からかなりバッシングを受けましたが、IPTL参加がいい気分転換になったのではないかと思います。

2016年

ITPLのいい流れから、シーズン初戦はITFエキシビション・マッチのホップマン・カップ(国別対抗戦)にオーストラリア代表として出場。ここでも好調を維持し、シングルスは全勝を果たし、オーストラリアの優勝に貢献します。

全豪オープンでは、三回戦で当時世界ランク6位のトマーシュ・ベルディハ(チェコ)と対戦、3-6,4-6,6-1,4-6で敗退。

2月にマルセイユ(フランス)で開催されたオープン13(ATP250)に出場し、準々決勝で当時世界ランク10位のリシャール・ガスケ(フランス)を6-0,6-4で、準決勝で当時世界ランク8位のトマス・ベルディヒ(チェコ)を6-4,6-2で、決勝では当時世界ランク12位のマリン・チリッチ(クロアチア)を6-2,7-6(3)のストレートで破ってATPツアー初優勝を果たした。

年度別成績(2016年2月23日現在)

世界ランクATPCHALLENGERITF
201283898
201318222124144
201452109152
2015302419
20163371
通算成績43312762312

タイトル

ATPシングルス

2016年
  • オープン13(ATP250:インドア・ハード)

ATPダブルス

  • なし

チャレンジャーツアー シングルス

2013年
  • シドニー・チャレンジャー(オーストラリア:アウトドア・ハード)
2014年
  • サラソータ・チャレンジャー(USA:アウトドア・クレー)
  • サバンナ・チャレンジャー(USA:アウトドア・クレー)
  • エイゴン・ノッティンガム・チャレンジャー(イギリス:グラスコート)

チャレンジャーツアー ダブルス

  • なし

ジュニアタイトル シングルス

2010年
  • Air Pacific South Pacific Open Junior Championships(G4:ハードコート)
2011年
  • DUNLOP ジャパンオープン・ジュニアテニス選手権大会2011(G2:カーペット)
2012年
  • カナディアン・オープン・ジュニア選手権(G1:ハードコート)
  • 大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス選手権(GA:アウトドア・ハード)
2013年
  • AGL Loy Yang Traralgon International(G1:ハードコート)
  • 全豪オープン・ジュニア(GA:アウトドア・ハード)
  • EGON Junior International Roehampton(G1:芝)

ジュニアタイトル ダブルス

2009年
  • ITF Junior Championships(G5:アウトドア・ハード)
        パートナー:James FRAWLEY(オーストラリア)
2011年
  • 2011 Seogwipo Asian/Oceania Closed International Junior Tennis Championships(GB1:アウトドア・ハード)
        パートナー:James FRAWLEY(オーストラリア)
2012年
  • Loy Yang Traralgon International(G1:アウトドア・ハード)
        パートナー:Wayne Montgomery(南アフリカ)
  • 全仏オープン・ジュニア(GA:アウトドア・ハード)
        パートナー:Andrew Harris(オーストラリア)
  • ウィンブルドン・ジュニア(GA:芝)
        パートナー:Andrew Harris(オーストラリア)
2009年
  • ウィンブルドン・ジュニア(GA:グラス)二年連続
        パートナー:タナシ・コキナキス(オーストラリア)

短評

まだ若いので感情のコントロールがメンタルの不安定さが残りますが、プレッシャーの強さは折り紙つき。

キリオスがブレイクした2014年のウィンブルドン、2回戦のガスケ戦、4回戦のナダル戦のサーブ・イン・フォー・ザ・マッチはいずれもラブ・ゲームで試合を締めています。試合を締めるゲームは、世界ランク上位の選手も絶対緊張します。それは試合を見ていればよく分かるのですが、特に、トップテン選手に対してこのゲームを取れば勝てるという気持ちが出てくると、通常の精神状態ではいられませんし、そこからの逆転を私は何度も見ています。

おまけに4回戦のラファエル・ナダルは当時世界ランク1位であり、キリオス自身のあこがれの選手。そんなヒーローに勝てると思ったら普通の選手なら手が震える場面。にもかかわらず、彼は最後を40-0からのサービスエースで締めたのです。

このまま大きな怪我をせず順調に、それと不安定な精神面が成長してくれれば、間違いなく将来はトップ3にいることでしょう。もしかしたらリオ五輪でもメダルを取るかもしれません。

更新履歴

  • 2016.02.24 新規投稿
  • 2016.03.01 ジュニア戦歴を追加
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